「朝起きて最初の一歩で、かかとの後ろがズキッとする」「走り始めはアキレス腱のあたりが痛いが、温まると紛れる」「靴のかかとが当たる場所が腫れぼったい」。朝の一歩目や走り始めにかかとの後ろ(アキレス腱のあたり)が痛む症状は、動いているうちに紛れることが多いため、相談を先延ばしにしやすい症状です。一方で、同じ場所には、急に強い痛みが出て力が入らなくなる状態(腱が切れた場合)のように、当日中に医療機関で確認が必要なものもあります。
この記事では、かかとの後ろが痛むときに整理したいこと、急な痛みや力が入らないときの目安、医療機関へ相談したい症状、受診時に伝えたいこと、医療機関の確認後に稲田堤で相談できる範囲をまとめます。この記事はかかとの後ろ(アキレス腱のあたり)が対象です。地面に着く側のかかとの裏と、足裏の痛みは別の記事で扱います。けがの診断と治療は医療機関の役割です。この記事は判断のための材料としてお読みください。
痛む場所と、動作による変化を整理する
- 痛むのは、かかとの骨の後ろ(靴が当たる場所)か、その少し上の腱の部分か、ふくらはぎとの境目か
- 朝の一歩目や動き始めだけ痛むか、歩き続けると紛れるか、運動の後半や翌日に強まるか
- 階段の上り、つま先立ちの動作、坂道で痛むか(確かめるために試す必要はありません。普段の生活で気づいた範囲で十分です)
- 腫れ、熱っぽさ、赤み、こぶのような膨らみがあるか
- いつから続いているか。きっかけ(練習量の増加、新しいシューズ、路面の変化、休養明け、ジャンプ動作)はあったか
- 以前に同じ場所を痛めたことがあるか。治療中の病気や飲んでいる薬(特定の抗菌薬やステロイドは腱のけがに関係することがあり、医療機関へ伝える情報です)があるか。いま飲んでいる薬と、最近まで飲んでいた抗菌薬、飲み薬や注射のステロイドは、名前を自分で判定せず医療機関へ伝えてください。自分で中止したり、量を変えたりしないでください
急に「後ろから蹴られたような」強い痛みや、切れたような音が出た場合は、つま先立ちで確かめず、次の節の当日の目安を先に確認してください。つま先立ちやふくらはぎのストレッチで痛みを確かめることは、状態を悪くすることがあるので行わないでください。
医療機関へ相談したい症状
次のような症状は、かかとの痛みとして様子を見ず、救急要請(119 番)をしてください。救急車が必要か迷うときだけ、救急相談(#7119)を使ってください。
- けがのあとに出血が止まらない、傷から骨や腱が見えている(どちらか一つでも)
- 痛みで動けない、または安全に移動できない
- 足先の感覚が無い、または反対側に比べて足先の色が急に青白く冷たい
- 転倒や衝突で頭を打ったあとに、意識がぼんやりする、繰り返し吐く、頭痛が悪化していく(このうち一つでも)
次の場合は、自宅での対処で様子を見ず、予約診療を待たずに、当日中に救急外来へ相談してください。
- 運動中や踏み込んだ瞬間に、かかとの後ろへ急な強い痛みが出た、または後ろから蹴られた・切れたような感覚があった(力が入りにくい、歩きにくい場合を含みます。
つま先立ちで確かめる必要はありません。
腱が切れている可能性を否定できません。歩けても重大な損傷を否定できません) - 発熱や、かかとの後ろの赤み・熱っぽさを伴う
- 短時間で急激に腫れてきた
- 転倒や衝突で頭を打った(上の症状が無くても、当日中に救急外来へ)
次の場合は、整体より先に医療機関(整形外科など)へ、日数を置かずに相談してください。
- 朝の一歩目や動き始めの痛みが続く、または強くなっている
- 腫れやこぶのような膨らみが続く、靴が当たって痛む
- 歩行や階段でも痛む、運動後に痛みが残る
- 成長期のお子さんも、119 番と当日の救急外来の条件は大人と同じです。それらに当てはまらなくても、かかとの痛みは日数を置かずに医療機関へ相談してください
- 糖尿病などの治療中、または腱に影響し得る薬を飲んでいる
ここに当てはまらないことは、受診が不要という意味ではありません。「温まれば紛れる」と決めて走り続けず、支障があれば日数を待たずに相談してください。
受診時に伝えたいこと
- 痛む場所(かかとの骨の後ろ、腱の部分、ふくらはぎとの境目)と、動作による変化
- いつから続いているか。きっかけの有無。急な痛みがあった場合はその瞬間の状況
- 腫れ・熱っぽさ・膨らみ・夜間痛の有無
- 練習量・シューズ・路面の変化。競技や大会の予定
- 治療中の病気、飲んでいる薬(抗菌薬・ステロイドを含む)
すでに受診した方は、診断名と指示内容(運動の可否・期間・固定や装具の有無)を覚えておき、指示と違う変化や新しい症状が出たら、自己判断で再開せず、再度医療機関へ相談してください。
確認を受けるまでに避けたいこと
- つま先立ち、片脚ジャンプ、強いストレッチで痛みを確かめる
- 痛みをかばったフォームで走り続ける
- かかとの後ろを強く揉む、押す。腫れや熱っぽさがあるのに温める
- 自己流のテーピングや固定で痛みを抑えて続ける
冷却は、119 番の症状も、当日中に救急外来へ相談する症状も無いときに限ります。冷やす場合は、氷や保冷剤を皮膚に直接当てず、感覚の異常があるときは行わず、冷やすことで受診を遅らせないでください。
医療機関の確認後に稲田堤で相談できる範囲
当院では、中学校の弓道部への講義とトレーニング指導、シニアアメフトチームへのトレーナー帯同など、スポーツに取り組む方と関わる活動を行ってきました。こうした活動は、運動をする方の体の使い方や練習の組み立てを一緒に考える経験になっています。けがの診断と治療は医療機関の領域であり、当院の活動がけがの回復を保証するものではありません。
検査で異常が見つからなかったことだけでは、整体で対応できるかは判断できません。症状が続く場合は、経過と生活上の支障を受診先へ伝えてください。かかとの痛みそのものの処置や、競技に戻ってよいかの判断は医療機関の役割です。
当院では、初回にお話をうかがい、医療機関の指示内容を確認したうえで、整体でお手伝いできる範囲・できない範囲をお伝えし、進め方をご相談します。受診が必要と考えられる場合は、その場でお伝えします。
よくあるご質問
Q. 動いているうちに紛れるなら問題ないですか 動き始めだけ痛む状態が続く場合も、医療機関での確認をお勧めします。紛れるからといって問題が無いとは言えません。
Q. 痛みがある日に相談してもよいですか まず上記の「医療機関へ相談したい症状」に当てはまらないかを確認してください。蹴られたような急な痛み、力の入りにくさ、歩きにくさ、発熱、急な腫れは、当日中の救急外来です。出血が止まらない、安全に移動できない、足先の感覚が無い・急に冷たい、頭を打ったあとの悪化は 119 番です。その日は来院しないでください。当てはまらない場合も、かかとそのものの確認は医療機関で受けていただくようお伝えしています。
ご予約・アクセス
JR 稲田堤駅から徒歩 1 分、京王稲田堤駅から徒歩 4 分です。院の場所や駐車場、ご予約方法はアクセス・院情報をご覧ください。ご相談だけでも構いません。


