「走り始めるとすねの内側がズーンと痛む」「練習量を増やしてから、すねの内側の一か所が押すと痛い」「筋肉痛だと思って走り続けている」。走るとすねの内側が痛む症状は、ひねった・ぶつけたといった分かりやすいけががないため、「筋肉痛」「走り込みが足りない」と考えて練習を続けてしまいやすい症状です。一方で、同じ場所の痛みには、骨にひびが入りかけている状態(疲労骨折と呼ばれる状態)が隠れていることがあり、続行すると長く休む結果になることがあります。
この記事では、走るとすねの内側が痛むときに、筋肉痛と決めつけずに確認したいこと、運動を中止したい痛みの変化、医療機関へ相談したい症状、受診時に伝えたいこと、そして医療機関の確認後に稲田堤で相談できる範囲を整理します。けがの診断と治療は医療機関の役割です。この記事は判断のための材料としてお読みください。
筋肉痛と決めつけずに整理すること
筋肉痛は、運動の翌日以降に筋肉の広い範囲が張るように痛み、数日で軽くなるのが一般的な経過です。これは筋肉痛の説明であり、軽くなるまで待つ許可ではありません。一点の痛み、日ごとの悪化、安静時や夜間の痛みがあれば、その時点で医療機関へ相談してください。それと違う特徴があれば、筋肉痛以外の可能性を考えて医療機関へ伝える材料にします。
- 痛むのは、すねの内側の広い範囲か、指で示せる一点か(押して確かめる必要はありません。自然に気づいた場所で十分です)
- 走り始めだけ痛いか、走るほど強くなるか、走り終えても続くか、歩くだけでも痛むか
- 日を追って痛みが強くなっているか、痛みが出るまでの距離が短くなっているか
- 夜間や安静時にも痛むか
- 腫れ、熱っぽさ、皮膚の色の変化があるか
- 最近、練習量・頻度・路面・シューズを変えたか。けがや休養明けか
- 食事量が足りていない、体重が減っている、女性の場合は月経が止まっている・不順である(骨のけがと関係することがあり、医療機関へ伝える情報です)
一点に集中する痛み、日ごとに強まる痛み、安静時や夜間の痛みがある場合は、後述する「医療機関へ相談したい症状」を先に確認してください。片脚で跳んで痛みを確かめたり、すねを強く押して確かめたりする自己テストは、状態を悪くすることがあるので行わないでください。
運動を中止したい痛みの変化
安静にしても痛みが強くなる硬い張り、足先の感覚や色の異常、胸の痛み、気を失った、頭を打ったあとの悪化があるときは、この節ではなく次の「医療機関へ相談したい症状」の 119 番を先に使ってください。次の変化があるときは、その日の練習を続けず、医療機関で確認を受けるまで走ることを控えてください。「夜間痛が無いから続けてよい」とは言えません。
- 走っている途中で痛みが強くなり、フォームをかばい始めた
- 痛みが出るまでの距離や時間が、日ごとに短くなっている
- 走り終えても痛みが残り、歩行や階段でも痛む
- 痛む場所が一点に集中してきた、腫れや熱っぽさが出てきた
「軽く走って様子を見る」「痛み止めを飲んで走る」は、確認を遅らせます。中止の判断を保護者や指導者と共有してください。
医療機関へ相談したい症状
次のような症状は、すねの痛みとして様子を見ず、救急要請(119 番)をしてください。救急車が必要か迷うときだけ、救急相談(#7119)を使ってください。
- 運動中の転倒や衝突のあと、傷から骨が見えている、出血が止まらない(どちらか一つ)
- 痛みで動けない、または安全に移動できない
- 足先の感覚が無い、または反対側に比べて足先の色が急に青白く冷たい
- 走ったあとやけがのあとに、すねやふくらはぎが急にパンパンに硬く張り、安静にしても痛みがどんどん強くなる(足の指の動かしにくさ、しびれ、感覚の異常が揃うまで待たないでください。この強さと張りだけで 119 番)
- 突然の、または強い胸の痛み、強い息苦しさ、冷や汗(運動中でも運動のあとでも。一つでも。揃うまで待たないでください)
- 運動中や直後に、体が異常に熱い、汗が止まった、吐き気が強い、受け答えがおかしい(このうち一つでも)
- 運動中に意識がぼんやりした、気を失った
- 転倒や衝突で頭を打ったあとに、意識がぼんやりする、繰り返し吐く、頭痛が悪化していく(このうち一つでも)
次の場合は、自宅での対処で様子を見ず、予約診療を待たずに、当日中に救急外来へ相談してください。
- 痛む脚に体重をかけにくい、歩きにくい(歩けても重大な損傷を否定できません)
- 脚の形が明らかに変形している
- 発熱や、すねの赤み・熱っぽさを伴う
- 短時間で急激に腫れてきた
- 転倒や衝突で頭を打った(上の症状が無くても、当日中に救急外来へ)
次の場合は、整体より先に医療機関(整形外科など)へ、日数を置かずに相談してください。
- 一点に集中する痛みがある、日ごとに強くなっている
- 安静にしていても痛む、夜間に痛む
- 歩行や階段でも痛む
- 休んでも走ると同じ場所が痛む(期間の長さを待つ必要はありません)
- 成長期のお子さん、または食事量の不足・体重減少・月経の異常がある
ここに当てはまらないことは、受診が不要という意味ではありません。「筋肉痛だろう」と決めて練習を続けず、変化があればその時点で相談してください。
受診時に伝えたいこと
- 痛む場所(広い範囲か一点か)と、痛みの変化(距離・日ごと・安静時)
- 練習量・頻度・路面・シューズの変化と、その時期
- 腫れ・熱っぽさ・夜間痛の有無
- 食事・体重・月経の状況(骨のけがの背景として聞かれることがあります)
- 競技や大会の予定、指導者の方針
すでに受診した方は、診断名と指示内容(運動の可否・期間・固定の有無)を覚えておき、指示と違う変化や新しい症状が出たら、自己判断で再開せず、再度医療機関へ相談してください。
医療機関の確認後に稲田堤で相談できる範囲
当院では、中学校の弓道部への講義とトレーニング指導、シニアアメフトチームへのトレーナー帯同など、スポーツに取り組む方と関わる活動を行ってきました。こうした活動は、運動をする方の体の使い方や練習の組み立てを一緒に考える経験になっています。けがの診断と治療は医療機関の領域であり、当院の活動がけがの回復を保証するものではありません。
検査で異常が見つからなかったことだけでは、整体で対応できるかは判断できません。症状が続く場合は、経過と生活上の支障を受診先へ伝えてください。すねの痛みそのものの処置や、競技に戻ってよいかの判断は医療機関の役割です。
当院では、初回にお話をうかがい、医療機関の指示内容を確認したうえで、整体でお手伝いできる範囲・できない範囲をお伝えし、進め方をご相談します。受診が必要と考えられる場合は、その場でお伝えします。
よくあるご質問
Q. 筋肉痛との違いは自分で分かりますか 痛む範囲や軽くなる経過だけでは、ご自身で筋肉痛と確定できません。一点の痛み、日ごとに強まる痛み、安静時や夜間の痛みがあれば、その時点で医療機関で確認してください。自然に気づいた経過を医療機関へ伝えてください。
Q. 走るのをやめたくありません。相談できますか まず医療機関で骨の状態を確認していただくようお伝えしています。確認前に走り続ける判断を当院が後押しすることはできません。意識を失った、すねやふくらはぎの急な硬い張りと強くなる痛み、胸の痛み、息苦しさ、冷や汗、体が異常に熱い、汗が止まった、吐き気が強い、受け答えがおかしい(このうち一つでも)、足先の感覚が無い・急に青白く冷たい、安全に移動できない、出血が止まらない、頭を打ったあとの悪化は 119 番です。歩けない、変形、発熱や赤み、頭を打っただけは当日中の救急外来です。その日は来院しないでください。
ご予約・アクセス
JR 稲田堤駅から徒歩 1 分、京王稲田堤駅から徒歩 4 分です。院の場所や駐車場、ご予約方法はアクセス・院情報をご覧ください。ご相談だけでも構いません。


