「久しぶりに強い練習をしたら、翌日から筋肉痛が引かない」「太ももがパンパンに張って、階段が下りられない」「筋肉痛だと思っていたが、だるさや尿の色の変化もある気がする」。運動のあとの筋肉の痛みは誰にでも起こりますが、「筋肉痛だから数日で引く」と決めてしまうと、筋肉そのものや全身に起きている変化を医療機関へ伝える機会を逃すことがあります。
この記事では、運動後の強い筋肉の痛みについて、筋肉痛と決めつけずに整理したい経過と体調の変化、急いで医療機関へ相談したいサイン、受診時に伝えたいこと、確認を受けるまでに避けたいこと、医療機関の確認後に稲田堤で相談できる範囲をまとめます。この記事は「運動のあと」の経過が対象で、運動中にやめる判断は別の記事で扱っています。筋肉の痛みの原因を特定できるのは医療機関です。この記事は判断のための材料としてお読みください。
筋肉痛と決めつけずに、経過と体調の変化を整理する
運動後の筋肉の痛みは、いったん強くなり、その後軽くなっていくのが一般的な経過です。それと違う経過や、筋肉以外の変化があれば、「筋肉痛」とまとめずに医療機関へ伝える材料にします。症状が全部そろうまで待つ必要はなく、一つでも気づいたことがあれば、その時点で伝えてください。
- どんな運動を、いつ、どのくらいの強さで行ったか(久しぶり、普段より多い、暑い中、脱水気味など)
- 痛みはいつ始まり、日ごとに軽くなっているか、変わらないか、強くなっているか
- 痛む範囲が広く左右対称か、一か所に集中しているか。筋肉が硬く腫れて張っているか
- 力が入りにくい、手足が上がらない、立ち上がれないなど、動かしにくさがあるか
- 尿の色が普段より濃い、茶色やコーラのような色になった、尿の量が減った
- だるさ、吐き気、発熱、頭痛、動悸、息切れなど、体全体の変化があるか
- 持病(腎臓・心臓・甲状腺など)、飲んでいる薬やサプリメント、飲酒の有無
尿の色だけで病気を判定する必要はなく、色が普段どおりなら安全だという意味でもありません。経過と体調の変化をまとめて医療機関へ伝えることが目的です。
医療機関へ相談したい症状
次のような症状は、筋肉痛として様子を見ず、救急要請(119 番)をしてください。救急車が必要か迷うときだけ、救急相談(#7119)を使ってください。
- 意識がぼんやりする、受け答えがはっきりしない、けいれんを起こした
- 運動中や直後に倒れた、気を失った(意識が戻っていても 119 番)
- 体が異常に熱く、汗が止まり、受け答えがおかしい(この様子があれば 119 番)
- 突然の、または強い胸の痛み、胸の圧迫感、強い息苦しさ(冷や汗が無くても 119 番)
- 突然の、今までに無い激しい頭痛
- 筋肉がパンパンに腫れて強く痛み、その部位を動かせない。または、しびれや青白い冷感が広がる(太ももやふくらはぎを含む。どちらかで 119 番)
- 吐き気や嘔吐が続いて水分がとれず、ぐったりしている
次の場合は、自宅での対処で様子を見ず、予約診療を待たずに、当日中に救急外来へ相談してください。
- 尿の色が茶色やコーラのような色になった、または尿の量が明らかに減った(どれか一つで当日中の救急外来。色が普段どおりでも、量が普段どおりでも、それだけで安全という意味ではありません)
- 筋肉の痛みに、強いだるさ、吐き気、発熱、動悸のどれかが加わった
- 筋肉が硬く腫れている、力が入らない、立ち上がれない(どれか一つで当日中の救急外来)
- 痛みがいったん強まったあとも軽くならず、さらに強くなっている
- 体が異常に熱い、汗が止まった(意識がはっきりしていても当日中の救急外来)
次の場合は、整体より先に医療機関(内科や整形外科など)へ、日数を置かずに相談してください。
- 痛みが軽くならず、生活や仕事に支障がある(日数がたつまで待たないでください)
- 一か所に集中する痛みや腫れが続く
- だるさや食欲の低下が続く
- 持病がある、薬やサプリメントを飲んでいる
- 同じような運動で、以前にも同じ経過を繰り返している
ここに当てはまらないことは、受診が不要という意味ではありません。「筋肉痛だから」と決めて次の運動日をずらすだけで済ませず、体調の変化があればその時点で相談してください。
受診時に伝えたいこと
- 運動の内容・時点・強さと、その日の環境(暑さ、水分、睡眠)
- 痛みの始まりと経過(軽くなっているか、強くなっているか)
- 腫れ・力の入りにくさ・尿の色や量・だるさ・発熱などの変化
- 持病、飲んでいる薬・サプリメント、飲酒
- 競技や大会の予定、指導者の方針
水分や電解質をどのくらいとるべきか、いつ運動を再開してよいかは、医療機関で状態に応じて判断してもらってください。この記事では量や期間を示しません。
確認を受けるまでに避けたいこと
- 痛みを我慢して運動を続ける、「動かせば抜ける」と考えて強い運動をする
- 硬く腫れた筋肉を強く揉む、押す、熱い風呂で長く温める
- 尿の色や量の変化、強い腫れ、脱力があるときに、市販の痛み止めで様子を見る。痛み止めを飲んで練習に戻る(薬の使用は医師・薬剤師に相談)
- 尿の色や量の変化を「水分が足りないだけ」と決めて様子を見る
医療機関の確認後に稲田堤で相談できる範囲
当院では、中学校の弓道部への講義とトレーニング指導、シニアアメフトチームへのトレーナー帯同など、スポーツに取り組む方と関わる活動を行ってきました。こうした活動は、運動をする方の体の使い方や練習の組み立てを一緒に考える経験になっています。筋肉や全身の状態の診断と治療は医療機関の領域であり、当院の活動が回復を保証するものではありません。
検査で異常が見つからなかったことだけでは、整体で対応できるかは判断できません。症状が続く場合は、経過と生活上の支障を受診先へ伝えてください。運動に戻ってよいかの判断は医療機関の役割です。
当院では、初回にお話をうかがい、医療機関の指示内容を確認したうえで、整体でお手伝いできる範囲・できない範囲をお伝えし、進め方をご相談します。受診が必要と考えられる場合は、その場でお伝えします。
よくあるご質問
Q. 筋肉痛が強いだけなら、休めば大丈夫ですか 痛む範囲や軽くなる経過だけでは、ご自身で筋肉痛と確定できません。自然に気づいた経過と体調の変化を医療機関へ伝えてください。尿の色や量の変化、強いだるさ、硬い腫れ、力の入りにくさがあれば、筋肉痛とまとめずに、上の当日中の救急外来の段を確認してください。
Q. 筋肉痛の日に相談してもよいですか まず上記の「医療機関へ相談したい症状」に当てはまらないかを確認してください。動けない腫れやしびれの広がり、倒れた、胸の痛み、体が異常に熱く汗が止まり受け答えがおかしい、突然の激しい頭痛、意識の異常は 119 番です。尿の色か量の変化、強いだるさ、硬い腫れ、脱力のどれかがある当日は来院せず、当日中の救急外来へ相談してください。これらに当てはまらない場合も、強い痛み、腫れ、力の入りにくさ、尿の変化があるときは医療機関の確認を先にしてください。当院に相談できるのは、その確認のあとです。
ご予約・アクセス
JR 稲田堤駅から徒歩 1 分、京王稲田堤駅から徒歩 4 分です。院の場所や駐車場、ご予約方法はアクセス・院情報をご覧ください。ご相談だけでも構いません。


